Hatch Technology NAGOYA

子どもたちの悩みを早期発見・早期対応したい!|名古屋市内の小中高校で実証プロジェクトを開始しました【活動報告】

Hatch Technology NAGOYA課題提示型支援事業では、現在8つの実証プロジェクトが進行中です。今回はその中から、教育委員会事務局子ども応援課と株式会社ZIAIが連携して取り組むプロジェクト、「子どもたちの悩みを早期発見・早期対応したい!」の進捗をお伝えします。

実証背景

近年、子どもたちが抱える悩みや困難は、環境の変化に伴い、複雑化・深刻化しており、重篤な事案に至ることもあります。名古屋市には「なごや子ども応援委員会」があり、スクールカウンセラー(SC)らが支援を行っていますが、子どもの悩みの早期発見・早期対応を進める上で、通常の学校生活の観察だけでは、悩みを抱えSOSを出せない子どもたちの悩みを察知することが難しいという課題がありました。

この課題に対し、株式会社ZIAIから、先進的な「傾聴AI(けいちょうAI)」を活用した提案がありました。AIは子どもに「答え」を出すのではなく、まずは悩みを否定せずに「聴く」ことに徹します。AIとの会話で心の負担を和らげるとともに、子ども自身が「大人の助けがほしい」と希望した場合には、速やかに専門家へつなぐ仕組み(コーディネーション)の構築を目指します。

AIは「入り口」、最後は「人」が救う

本プロジェクトの最大の特徴は、AIを完結した相談相手にするのではなく、適切な支援へつなげるための「ハードルの低い入り口」と位置づけている点にあります。

  1. 24時間体制の傾聴:子どもたちはタブレット端末などから、匿名でAIとチャットできます。
  2. 専門家へのリレー:会話の最後にAIが「相談相手に繋ぐ」ことを案内。子どもが希望し、学年・クラス・氏名等を入力すると、その内容がSCなどの専門家に届きます。
  3. 大人が直接介入:通知を受けた専門家は、学校や子ども応援課などと連携し、迅速に具体的な支援へと入ります。

AIを導入することで、「人間味」が失われることを危惧する声もありました。しかし、現場の教職員との対話を重ね、「AIが話を聞くことで相談のハードルを下げ、重大な事案を未然に防ぐための第一歩にする」という目的を共有し、実証の開始に至りました。

目指すは「一人も死なせないマチナゴヤ」に向けて

2025年12月1日より、名古屋市内の小学校・中学校・高校の計21校で実証プロジェクトが開始されました。

開始にあたっては、漢字が読めない可能性がある小学4年生以上の児童に配慮し、システム上の表現にふりがなを振り、「緊急連絡先」を「SOS」と表記するなど、子どもの目線に立った細かな文言修正も行われました。

実証校では、朝の会やチャットツールを通じて相談用URLが周知されています。まずは子どもたちが「困った時に使えるツールがある」と知ることから始まります。

本プロジェクトに向けた意気込みについて、株式会社ZIAIの櫻井さんは次のように語ってくださいました。

「一人でも多くの生徒が抱える悩みを吐き出し、解決に向けて何かが動き出すきっかけになりたいです。」

今後、実証期間を通じて蓄積される相談件数や支援へのつながり状況を分析し、今後の応援委員会の活動に生かしていく予定です。

今後もHatch Technology NAGOYAのページで実証プロジェクトの取り組みを発信していきます。FacebookXでお知らせしていきますので、フォローよろしくお願いします。