「なごや子ども応援委員会」とは?
名古屋市では「なごや子ども応援委員会」を平成26年4月に設置し、さまざまな悩みや心配を抱える子どもや親を総合的に援助するため、常勤の専門職を学校現場に配置しています。
子どもたちと普段から関わりながら、すべての子どもたちの健やかな発達を支援し、子どもたちが主体的に人生の針路を探すことができるよう応援しています。
子どもたちの悩みに気づくために
名古屋市では、「日本で一番子どもを応援し、一人の子どもも死なせないマチ ナゴヤ」を方針としてナゴヤ子ども応援大綱に掲げていますが、自死の事例はなくなっていません。
私たち子ども応援課としても「悩んでいる子を早期に見つけて支援したい」という強い思いがありますが、現代の子どもたちは、私たち大人が想像する以上に多くの悩みを抱えています。友人関係、家庭環境、学業のプレッシャー、SNSでのトラブル、将来への不安——その悩みの理由は多岐にわたり、しかも複雑化しています。
また、子どもたちの中には、誰にも相談できずに自分の中に閉じ込めてしまう子や、「こんなことで頼れない」「自分で解決しないといけない」と思い込んでしまい、誰にも頼らず、結果として自分を追い込んでしまう子もいます。表面上は元気に見えても、心の奥底で深く傷ついているかもしれません。私たち大人がその小さなサインを見過ごしてしまうと、子どもたちは誰にも頼れず、一人で悩み続けることになってしまいます。
学校は、子どもたちが多くの時間を過ごす場所であり、教師や友人との関わりの中で、子どもたちの変化に気づくことができる貴重な場です。しかし、日々多忙な学校現場では、すべての子どもの小さな変化に気づくことは容易ではありません。
子どもの悩みの早期発見・早期対応を進める上で、通常の学校生活の観察だけでは、こうした子どもたちの悩みを察知することが難しいという課題認識が、本課題の出発点となっています。
一人も取り残さない社会への課題
これまでも、スクールカウンセラーの配置や相談窓口の設置、スクリーニングの実施など、子どもたちを支えるための様々な取り組みを校内で行ってきました。全員面談や学校生活アンケートの活用もその一環です。
しかし、既存の仕組みだけでは、自ら助けを求めることが難しい子がいるという現状を踏まえ、私たちは普段の学校生活の様子からだけでは早期発見が難しい子どもたちを、別の視点から見つけ出す方法を考えています。
新たな光を見つける挑戦
そこで私たちは、新たな技術の可能性に着目しています。
企業のみなさまが持つ先進技術を活用して、取得したデータをより深くオンタイムで分析することや、子どもたちがアクセスしやすいAIを活用した相談・ケアツールを活用することなど、革新的なアプローチを模索し、子どもたちの心の変化をより早く、より正確に捉えたいと考えています。
もちろん、技術はあくまで「手段」です。大切なのは、それらを通じて人では気づきにくい変化を可視化し、子どもたち一人ひとりと向き合い、最終的には温かい人の手による支援へとつなげることです。この実証実験を通して、早期発見から早期に専門家や信頼できる大人へと繋ぐ、新しい連携を確立したいです。
子どもたちの未来のために、ぜひ力をお貸しください!
名古屋市では、「一人の子どもも死なせないマチ ナゴヤ」を方針としてナゴヤ子ども応援大綱に掲げています。その実現のためには、行政や教育現場だけでなく、多様な知見と熱意を持った企業の皆様との連携が必要不可欠です。
私たちの活動の中で、「自分の方を見てほしいのに誰にも向き合ってもらえなくて辛かった。自傷行為に気付いてくれたから声をかけてもらえた。やっと話を聞いてもらえたのは嬉しかったけど、もっと早く気付いてほしかった。」と実際に言われたことがありました。自分から助けを求められない子のSOSをもっと早く発見してあげたいと強く思いました。
私たちは、子どもたちの幸せを本気で願い、共に取り組んでいただける企業や団体の皆さまを募集しています。技術的な知見やサービスを活かし、子どもたちの命と未来を守るための新たな仕組みを一緒に創り上げていきませんか?
子どもたちの悩みを早期に発見し、適切な支援につなげることは、未来への投資であり、社会全体の幸福につながる取り組みです。そういったことに共感し、革新的なアイデアと技術で、この課題に一緒に立ち向かってくださるパートナーを心からお待ちしています!