子どもたちの成長を支える給食の舞台裏
みなさんの給食の思い出、好きだったメニューはなんですか?
名古屋市の小学校に通われた方、当時から「ピリ辛スープ」は人気メニューでしたか?
子どもたちの健全な成長を支える役割を担っている「学校給食」ですが、近年の物価高騰の影響を受け、献立作成現場ではさまざまな課題に直面しています。私たちは、AI技術を活用することで、これらの課題を解決し、より持続可能で質の高い学校給食を実現するプロジェクトに取り組みたいと考えています。
名古屋市では、小学校に1日約12万食の給食を提供し、多くのこどもたちの胃袋を支えています。しかし食材価格の上昇によって、学校給食の予算管理が困難になり、栄養教諭は限られた予算内で献立を作成するために、これまで以上に苦慮しています。
予算内に収まるように逆算しながら、4カ月前に献立を作成していますが、献立作成時から実際に給食を提供するまでに価格が変わってしまうことが大きな課題となっています。
実際昨年は、青果の大根が不作で価格が高騰したことで、身近な「切り干し大根」を献立から外さないといけないということが起きています。
献立作成の業務フロー概要
学校給食の献立は、栄養バランスだけでなく、価格や調達量、物流事情など、さまざまな制約の中で作成されます。
名古屋市では、毎月栄養教諭が集まり、約600種類ものメニューを組み合わせて、献立案を作成しているのですが、献立案を作成しても予算内に収めることができずに何度も何度も繰り返し作成することも珍しくありません。
また、使用する食材が集中しないように市内を5つのブロックに分けて、献立を割り当て順番を変えて提供することで、食材の調達量のバランスを取るといったことも行っています。これらの作業は栄養教諭にとって大きな負担となっており、工夫が必要です。
先進技術×給食という新たな可能性
本プロジェクトでは、先進技術を活用することで、食材価格の予測による献立作成の効率化を目指します。システムが過去の価格変動データやリアルタイムの価格変動状況などを分析し、数か月先の価格を予測することで、栄養教諭は予算内で最適な献立を立てることができます。また、価格変動に合わせて、献立見直しの一部を自動化することなどができれば、作業時間の短縮や負担軽減にも繋がると考えています。
実証実験では、AIによる価格予測の精度や、献立作成支援システムの有効性を検証します。過去の価格変動データを用いた机上検証を通じて、AIが学校給食の現場にどのような変革をもたらすのか、その可能性を探ります。
持続可能な学校給食のために
本プロジェクトは、学校給食の現場が抱える課題を解決するだけでなく、持続可能な学校給食の実現にも貢献します。AI技術を活用することで、予算内で栄養バランスの取れた給食を提供し、子どもたちの健やかな成長を支えます。また、食育や地産地消の推進にも繋がり、地域社会全体の活性化にも貢献することが期待されます。
共に未来を創りませんか?
本プロジェクトにご関心をお持ちの企業の皆様、ぜひ私たちと共に、学校給食の未来を創造しませんか?AI技術や献立作成システムに関する知見を活かし、子どもたちの笑顔溢れる食卓を、そして持続可能な学校給食の未来を、共に実現しましょう。