眠る知恵、多忙な現場
私たちの測量調査課の日常業務は、道路と土地の境界を定めるという、市民の財産に深く関わる重要なものです。この業務を遂行するためには、過去の膨大な測量記録、図面、協議の経緯などを参照する必要があります。しかし、これらの貴重な情報は紙媒体や古いデジタルデータとして保管庫に眠っていることが多く、探し出すのに膨大な時間と労力を要しているのが実情です。
また、長年の経験を持つベテラン職員の頭の中にある「知恵」に頼る場面も少なくありません。現状のままでは、組織としての知識の共有が進まず、退職や異動によって、貴重なノウハウが失われてしまう可能性があります。
先進技術でつなぐ、新たなナレッジ循環のシステム
これまでも、私たちは日々の業務の中で、先輩から後輩へと知識や技術を伝える努力を続けてきました。OJTや資料のファイリングといった従来の方法で、ノウハウの継承に努めてきましたが、情報の量が増大し業務が複雑化する中で、限界も見え始めています。特に、紙媒体で残されてきた過去数十年にわたる膨大な記録や、個々の職員が持つ断片的な情報は、有効に活用しきれていない側面がありました。この現状を打破し、より体系的かつ効率的な知識共有の仕組みを構築することを喫緊の課題として考えています。
今回、私たちが実現したいのは、測量調査課に眠るあらゆる知識や情報を一元的に集約し、誰もが容易にアクセスし活用できる「新たなナレッジ循環システム」です。
紙の文書や手書きのメモ、電子化された図面など、形式を問わず情報を格納し、必要な時にAIが関連情報を探し出し、提示してくれるような仕組みを想定しています。これにより、若手職員でもベテラン職員が持つような知識に触れ、業務の質を高めることができるようになります。また、職員自身が持つ知識をシステムに容易に登録できることで、組織全体の知識ベースを継続的に成長させていくことを目指します。
専門的な知識や過去の記録が、職員の異動や世代交代によって失われることなく、組織全体で共有され、活用される仕組みが実現すれば、業務の効率化はもちろんのこと、判断の精度向上や、市民や測量パートナー業者の方々への迅速かつ的確な対応も可能となります。
未来へのバトンを共に
このプロジェクトは、単なる業務効率化に留まらず、私たちの働き方を変革し、行政サービスの未来を形作る挑戦です!皆様が持つ先進的な技術や柔軟な発想力で、私たちの課題解決にお力添えいただけないでしょうか?
この取り組みを通じて、名古屋市の測量調査課から、ナレッジ継承の新しいモデルを発信し、将来的には他の分野や地域へも展開できるような、大きな可能性を秘めたプロジェクトに育てていきたいです。私たちは、この想いに共感し、共に未来を創造してくださる企業様との出会いを心から楽しみにしています!