Hatch Technology NAGOYA 課題提示型支援事業で進行中の、名古屋市上下水道局 配水設計課・下水道設計課と株式会社KK Generation(以下、KKG)による実証プロジェクト「過去の設計データをAIで資産化!上下水道管の設計業務の効率化プロジェクト」。
前回は、KKG担当者が配水設計課・下水道設計課を訪問し、上下水道管の設計における業務フローや基本的なルール、制約事項などについてヒアリングした際の様子をお伝えしました。
※前回の記事はこちら
現地打合せを実施しました【活動報告】
今回は、プロジェクトも終盤に差しかかり、開発したシステムについての検証と今後の方向性について話し合いを行いましたので報告します。
最新技術の現在地を確認する
今回、配水設計課・下水道設計課は日本の建設図面に特化した独自システム「検図照査AI」を持つKKGと協働し、「最新のAI技術を使って、上下水道の図面の読み取りや情報の突き合わせ(設計図・設計書の照査業務)が現状どこまでできるのか」を検証しました。
【KKG担当者 市川氏のコメント】
「すべての照査業務をAIで完全に自動化するのは将来の理想形ですが、今の技術で複雑な図面を最初から最後まで完璧に読み取るのは非常に困難です。そのため今回のプロジェクトでは、『現状の技術で確実に対応できるのはどこか』を徹底的に検証し、人間が判断すべき領域と、システムに任せるべき作業の境界線を探りました。」

検証を進める中で見えてきたこと
システムにすべてを任せるのではなく、現実的な視点で検証を進めた結果、以下のような成果が見えてきました。
- 特定の確認作業が「約1/10」の時間に
1つの事例になりますが、下水道設計における基本的な9項目(管の太さや長さなど)の確認作業において、熟練職員が目視で約350秒かかった作業が、システムでは約35秒で完了しました。「単純なデータの突き合わせ」においては、高い処理能力を発揮することが確認できました。(※水道設計については現在も検証中)
- デジタル図面からの高い読み取り精度
文字情報が埋め込まれたデジタル図面(ベクターデータ)であれば、高い精度で情報を抽出できることが確認されました。
見えてきた次のステップ
「明日からすべての業務が自動化される」といった魔法のような成果はありません。しかし、今回の検証を通じて、「対象とする項目を無闇に広げるのではなく、項目を絞り込んでチェック精度を上げるアプローチの方が、結果的に現場の負担軽減に繋がる可能性が高い」という、次に向けての重要な方向性が見えてきました。
今できること、できないことを事実ベースで明らかにし、技術の現在地を把握する。
この地に足のついた検証結果を足がかりに、名古屋市のインフラを守り抜くための官民共創の挑戦は、次なるフェーズへと進んでいきます。


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