AI技術を活用したメンタルヘルスケアシステムを開発するZero To Infinity株式会社は、名古屋市総務局 安全衛生課の協力のもと、AIを活用したストレス状態のセルフチェックによる不調未然防止の効果検証を行っています。
背景:なぜ今、「見えないストレス」の可視化が必要なのか?
自治体職員の業務は多岐にわたり、時に心理的な負担を感じる場面も少なくありません。 これまでもアンケート形式(質問紙法)のストレスチェックは行われてきましたが、自身のストレス状態を客観的に把握し、自発的にケアを行うことは容易ではありません。
そこで本プロジェクトでは、「先進技術を用いてメンタルヘルス不調を事前に防ぐ」ことを目的に、AIを活用してストレス状態を「見える化」する実証を行いました。 自分の状態を客観的な数値として知ることで、職員一人ひとりの「気づき」を促し、不調になる前にケアできる環境づくりを目指しています。
技術紹介:たった20秒で測定!AIシステム「HaCha(ハチャ)」

今回活用したのは、Webカメラを通じて脈拍や自律神経の状態を非接触(体に触れず)で検知するシステム「HaCha(ハチャ)」です。
「HaCha」の仕組み
使い方は非常にシンプルです。パソコンのWebカメラに向かって、約20秒間撮影を行うだけ。AIが以下の生体データを解析し、ストレス状態(自律神経のバランス)を判定します。
●まばたきの回数
●脈波のゆらぎ(心拍のリズムの変化)
●筋肉のこわばり(表情筋の緊張状態)
従来の質問用紙とは異なり、体から発せられるサイン(生体情報)を直接分析するため、より客観的な指標で自分の状態を知ることができます。

今回の実証実験のポイント
本プロジェクトは、昨年度、課題提示型支援事業で実施した取組みをさらに発展させたものです。 より正確で、使いやすいシステムにするために、今回は以下の3つのポイントを改良(ブラッシュアップ)して検証を行っています。
1. 「筋肉のこわばり」を評価に追加 昨年度の実証結果から、「筋肉のこわばり」と「ストレス状態(自律神経)」には関連があることが分かりました。そこで今年度は、表情などから読み取れる「筋肉のこわばり」のデータも、ストレス評価の指標に加え、精度の向上を図ります。
2. 読み取り精度の向上 まばたきの回数をより正確に捉えるため、カメラで撮影する画像の画質(ピクセル数)を増やし、解析の精度を高めます。
3. 使いやすさの改善 誰でもスムーズに操作できるよう画面のデザイン(ユーザーインターフェース)を見直し、撮影失敗などを減らす工夫を行っています。
実証実験の流れ:測定して、整える
今回は、安全衛生課が主催する「ストレスコントロール研修」において、参加者に以下のステップで「HaCha」を体験してもらい、技術の有効性や意識の変化を検証しています。
1. ストレス計測(1回目): 現在の状態をAIでチェックします。
2. セルフケアの実践: その場で簡単な「腹式呼吸」などを行い、心を整えます。
3. ストレス計測(2回目): 再度計測を行い、数値がどう変化したかを確認します。
ケアを行うことで数値がどう良くなるかをその場で確認してもらうことで、「セルフケアをやってみよう」と思う人を増やす狙いがあります。


今後の展望
Zero To Infinity株式会社が目指すのは、職員が心身ともに健康で、生き生きと働ける職場環境の実現です。 先進技術の力で「不調の早期発見」と「セルフケアの定着」をサポートし、誰もが安心して働ける組織づくりに貢献していきます。




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