
1. プロジェクト概要
本プロジェクトでは、ニチレキ株式会社と株式会社スマートシティ技術研究所が持つスマートフォンを活用した路面点検サービス「GLOCAL-EYEZ」を用いて、名古屋市内の道路に設置された区画線の種類ごとの総延長をAI技術により算出する実証実験に取り組みます。
2. プロジェクトの目的
名古屋市内には多数の道路が存在し、それらに設置された区画線の総延長は、これまで正確に把握されていませんでした。本実証プロジェクトの主な目的は、この膨大な区画線のうち「白の実線」「黄色の実線」「白の破線」の3種類について、AI技術を用いてそれぞれの総延長を正確に把握することです。
総延長という全体量を明らかにすることで、データに基づいた計画的かつ効率的な道路の維持管理の実現を目指します 。
3. 実証プロジェクト詳細
【使用する技術】
今回の実証では、独自の画像処理技術により路面標示を点検できるサービス「GLOCAL-EYEZ」で撮影したデータを活用し、 区画線の有無や種類(白、黄、白の破線の3種類)を分類するAIモデルを新たに開発します。
【実施方法】
本実証は名古屋市内全域の道路(16土木事務所管内)における撮影データをAIに学習させ、「白の実線」「黄色の実線」「白の破線」の3種類を判別し、それぞれの総延長を算出します。
算出された延長の精度については、サンプル区間を設けて職員が手作業で実測した値とAIの解析結果を比較することで検証します 。
【スケジュール】
〜2025年7月:区画線の有無を判定するAIモデルを開発
〜2025年8月:区画線の種類を分類するAIモデルを開発
〜2025年9月:かすれ具合を判定するAIモデルを改良
〜2026年2月:精度検証などの実証実験を実施
〜2026年3月: 正式運用に向けた検討
本実証により、目視調査と比較して90%以上の作業効率化と、目視と同等以上の精度を実現することを目指します 。将来的には、計画的な維持管理を実現し、道路の安全確保に貢献していきます。