Hatch Technology NAGOYA

駅の案内業務効率化へ。AI駅員ロボットの実証プロジェクト【実証レポート】

近年、外国人観光客の増加や、観光・周辺施設など駅員への問合せの内容は駅業務に関するものに限らず多様化しており、駅員の案内における業務量は増大しています。名古屋市営地下鉄では、将来的な労働人口の減少も見据え、限られた人員でサービス品質を維持・向上させる仕組みの構築が急務となっています。
これまで、これらの多様な問い合わせ対応は駅員が個別に行っており、特に言語の壁がある外国人観光客への対応や、地理に不慣れな方への経路案内には1件あたりに多くの時間を要し、現場の業務負荷が高くなるという課題がありました。

こうした課題を解決するため、交通局駅務課とアクセンチュア株式会社が連携し、生成AIによる自然な対話が可能な自走式の「AI案内ロボット」を地下鉄栄駅に設置し、駅業務効率化の検証を行う実証実験を行っています。(技術で実現!駅の案内、もっとスムーズに

※これまでの記事はこちら
ロボットの試運転を行いました【活動報告】
実証実験開始に向けた取り組みと課題【活動報告】

今回は、これまでのプロジェクトのまとめと、2月18日に開催されたメディア向け現地見学会の様子をレポートします。

2月18日 メディア向け現地見学会の実施

実証実験の本稼働に先立ち、2026年2月18日、栄駅東改札口付近にて各種メディアに向けた現地見学会を実施しました。

見学会では、実機を用い、アクセンチュアの担当者によるデモンストレーションを実施しました。その後、テレビ局、新聞社の記者の方々にロボットとの対話を実際に体験していただき、質疑応答などの取材対応を行いました。

実証実験の概要と「AI案内ロボット」の機能

本プロジェクトでは、駅員の業務や知識をデジタル技術で代替するシステムの構築を目指しており、主に以下の技術・機能を搭載して検証を行っています。

1. 生成AIと業務ノウハウの融合

大規模言語モデル(LLM)を中核に、駅員の業務ノウハウや交通局の公式データ(FAQ、駅構内図など)を統合した対話制御システムを新たに開発しました。これにより、AIの柔軟な対話力を活かしつつ、正確性が求められる案内に対して適切な情報を引き出して回答することが可能になります。

2. 経路検索APIやWeb検索との連携

市バス・地下鉄に限らず、経路検索アプリのAPIと連携することで他社線を含めた最適な乗換ルートを案内します。さらに、イベント情報や観光情報など日々変化する内容については、AIが自ら信頼性の高い公式Webサイト等を検索・要約し、最新情報を踏まえた回答を行います。

3. 画像認識技術による車いす利用者への配慮

ロボットが持つカメラとAI画像認識技術を組み合わせ、話しかけられると自動で話者の方を向くなど、自然なコミュニケーションを実現します。また車いす利用者を識別した際には、階段ではなくエレベーターを利用するなど、バリアフリー経路を優先的に案内する機能を備えています。

4. スマートフォンからもアクセス可能な「AI音声対話アプリ」

本実証実験では、現地に設置されたAI案内ロボット本体に加えて、自身のスマートフォンで利用できるWebアプリ「AI音声対話アプリ」も提供しています。駅構内やロボットに掲示された二次元コード(QRコード)を読み込むだけでアクセスでき、ロボットが他の駅利用客をご案内中の場合でも、自身のスマートフォンから手軽にAIによる音声・テキスト案内を受けることが可能です。

2月19日より開始した実証実験は、3月18日まで実施しました。実際に駅を利用される多様なお客さまとの対話を通じて、案内精度の検証と現場運用における課題の抽出を進めてまいります。3月23日に開催する成果発表会では、実施した結果をお伝えいたします。

なお、本プロジェクトは、今回取材いただいた以下のメディアに掲載いただきました。
あわせてご覧ください。

【中京テレビ】地下鉄栄駅で自走式「AI案内ロボット」の実証実験スタートへ 駅員の「現場の知恵」をAIに蓄積 他社路線を含む乗り換え案内や車いす利用者の識別も可能
【CBCテレビ】名古屋の地下鉄栄駅 “AIロボット”が駅員に代わって道案内 2月19日から実証実験 平日の午前10時~午後4時まで
【東海テレビ】4か国語話せて外国人客にも対応…地下鉄の駅に案内役の“AIロボット” 駅員の業務軽減を目的とした実証実験の一環
【テレビ愛知】名古屋の地下鉄栄駅でAIロボットが案内業務 駅員の負担軽減や人手不足の解決目指す
【中部経済新聞】名古屋市交通局 AIロボが案内業務 駅員の経験取り入れ効率化 IT企業と実証実験
【日刊工業新聞】地下鉄に自走案内ロボ 名古屋市が実証開始

本年度の成果発表会を開催します

名古屋市内で行われた先進技術実証プロジェクトを、教育、まちづくり、ヘルスケア、公共インフラ、市民サービスの5つのテーマに分けて発表します。また会場には、各社の開発した技術を展示するブースもご用意しています。ぜひ会場でご参加ください。

Hatch Technology NAGOYAを知らない方も、過去に参加した方も、お気軽にご参加ください。交流のお時間も用意していますので、実証企業の方々ともお話しいただけます。

ご参加をお待ちしております。