Hatch Technology NAGOYA

国民健康保険料未納をゼロへ!革新的技術で支える安心社会|ビッグデータと格闘!生成AI分析による「最適解」への挑戦【活動報告】

Hatch Technology NAGOYAの課題提示型支援事業では、現在8つの実証プロジェクトが進行中です。今回は、健康福祉局保険年金課とUSEN&U-NEXT GROUPの株式会社TACTがタッグを組んで取り組むプロジェクト、「国民健康保険料未納をゼロへ!革新的技術で支える安心社会」の続報をお届けします。

11月末の実証開始から約2ヶ月が経過しました。現場では、AIによる自動架電と並行して、もう一つの大きな挑戦である「生成AIによるデータ分析」が佳境を迎えています。今回は、その裏側にある試行錯誤のプロセスにスポットを当てます。

※前回の記事はこちら
AI音声対話システムを活用した実証実験を開始しました【活動報告】

プロジェクトのおさらい

本プロジェクトでは、株式会社TACTの「AI音声対話システム」と「生成AI」を活用し、以下の3つのアプローチで国保料の未納ゼロを目指しています。

  1. AI音声対話システムによる納付期限前の案内:新規加入者へ早期に架電し、口座振替を案内。
  2. 多言語・やさしい日本語での案内:外国人の未納世帯へ、言葉の壁を越えたアプローチ。
  3. 生成AIによるデータ分析:過去の膨大なデータを分析し、最も効果的なアプローチ方法を発掘。

順調に進む「AI自動架電」とSMS連携

11月25日からスタートした「AIによる納付期限前の案内」は、順調に稼働を続けています。

対象となる市民の皆様へAIが電話をかけ、「口座振替の電子申請」をご案内するこの取り組み。12月からは、通話の中で希望された方にショートメッセージ(SMS)で申請用URLを即座に送信する機能も実装されました。

「電話で話して終わり」ではなく、その場ですぐに手続きのアクションに移れるスムーズな動線づくりを進めています。ミーティングでは、架電の接続率や、最後まで話を聞いていただけた方の割合(完了率)などの速報値が共有され、「どうすればもっと電話に出てもらえるか?」「留守番電話にはどう対応すべきか?」といった熱量の高い議論を交わしています。

生成AI分析の裏側

生成AI分析の精度を高めるには、質の高いデータが必要です。保険年金課からは、過去の滞納状況や交渉履歴など、膨大なデータが提供されました。しかし、行政のデータは元号(令和〇年など)で管理されていたり、独特のコード体系があったりと、そのままではAIが理解しにくい部分もあります。

そこで、TACT社のデータサイエンティストと市の職員が密に連携し、「この数字は何を意味しているのか?」「分析にはどの項目が必須か?」を一つひとつ紐解き、AIが学習しやすい形へとデータを整形(前処理)する作業を進めました。

生成AI分析で目指しているのは、職員の経験則だけでは見えなかった「隠れた正解」を見つけ出すことです。

  • 「どの時間帯にかければ、最も話を聞いてもらえるのか?」
  • 「そもそも、架電よりも文書の方が効果的な層はいるのか?」

これらの問いに対し、TACT社の生成AI環境を活用して多角的なシミュレーションを繰り返しています。12月の定例会では、サンプルデータを用いた初期分析の結果を見ながら、「この傾向は現場の感覚と合致する」「逆にここは意外な結果だ」といった活発な意見交換が行われました。

生成AIの活用により判明した「最適な架電タイミング(ゴールデンタイム)」や「効果的なアプローチ手法」といった分析結果は、今後の取り組みにおいて有効に活用してまいります。技術をもつTACTと現場の保険年金課のメンバーがお互いの専門知識を持ち寄り、ワンチームで課題解決に向かう姿勢が、このプロジェクトの推進力となっています。

Hatch Technology NAGOYAのページでは、引き続き実証プロジェクトの成果を発信していきます。FacebookXでも最新情報をお知らせしていますので、フォローをよろしくお願いします。