地域に根差す未来の窓口を目指して
私たち千種保健センターは、市民の皆様が安心して各種手続きや相談ができる、地域に根差した温かい窓口を目指しています。窓口には、ご高齢の方から乳幼児の保護者、精神疾患のある方やそのご家族、医療従事者や飲食店等の事業者など、日々多様なニーズを持つ方々が来庁されます。窓口は市民生活と行政をつなぐ大切な接点であり、その環境をより良くすることは私たちの重要な使命です。そのため、全ての方が気持ち良く利用できる質の高いサービス提供に日々努めています。
職員が直面する課題と新たなアプローチを試みる理由
みなさんは役所の窓口対応で不快な思いをした経験はありませんか?私たち職員も、一市民として役所を訪れた際に、窓口での対応に不満を感じることがあります。そんな時、「市民は役所を選べず、職員がどんな対応をしても市民は我慢しなければならない」ということを身をもって実感します。手続きのために時間を作って来庁することは、ただでさえ市民の皆様にとって煩わしいことだと思いますが、そんな中でさらに職員の対応が悪ければ、不快に感じるのは当然です。そこで、窓口での職員の対応に不満を感じたり、がっかりしたりする人を1人でも減らしたいという思いから、どの職員が対応しても市民の皆様に不快な思いをさせない窓口づくりが千種保健センターに必要だと考えました。
しかし、行政の窓口では、民間のサービス業で求められるような笑顔あふれる対応がふさわしい場面ばかりではありません。例えば、施設基準を満たさない事業者からの相談に対し毅然と対応する場面や、子育てに悩む保護者からの深刻な相談を受ける場面などが挙げられます。法律の下で正しく対応することが冷たい印象を与えてしまうことも少なくなく、職員も日々難しさを感じています。
また、組織として市民サービスの向上に取り組んでいますが、職員の対応の質にばらつきが見られるという課題があり、個々の職員が自身の接遇を客観視する機会が必要だと感じています。加えて、近年ではカスタマーハラスメントが社会的な問題となっていますが、心無い言動や威圧的な対応等により職員の心が疲弊してしまうという課題もあります。
これらの課題は、職員全体の接遇向上へのモチベーションに影響を与えるだけではなく、同じ空間に居合わせた市民の方にも不快な思い等を与える可能性があり、結果として安定した市民サービス提供の妨げとなる懸念があります。
これまでの試行錯誤と未来への展望
これまでも接遇研修や職員間での情報共有、OJT等を通じて組織としての接遇改善に取り組んできました。しかし、研修に参加できる人数には限りがあることや、行政の窓口対応での客観的な評価基準がなく研修等の取り組みの効果測定やフィードバックが難しいこと、職員間の行政における接遇の重要性に対する意識の違いなどから、個々のスキル向上には限界を感じています。そのため、組織全体での接遇の質の標準化や、カスタマーハラスメントへの体系的な対応が十分だとは言えません。特にカスタマーハラスメント対策は接遇を改善していくことだけでは解決のできない問題であるため、接遇以外の面でも予防や早期対応の仕組みが必要です。
そこで、先進技術を活用したデータ解析やAIの視点を取り入れることで窓口での接遇の質を可視化し、職員全体の意識改革や対応の質の標準化、安心して働ける安全な職場環境を実現したいと考えました。
本プロジェクトでは、外部の知見や技術をお借りすることで、より客観的で効果的な接遇向上策や、職員の安全を確保するための実践的な対策を見つけ出したいと考えています。実証実験を通じて得られた成果を基に、千種保健センター内に留まらず、他の部署や自治体にも広く展開可能な行政における窓口改善のモデルケースを構築することを目指します。
熱意ある企業の皆様へ
私たちは、この課題に真剣に向き合い、市民サービスと職員環境の両面を向上させることを強く望んでいます。私たちの目指す「快適な窓口と安全な職場環境」の実現には、皆様の持つ革新的なアイデアと技術が不可欠です。ぜひ、私たち千種保健センターと共に、期待を超える公共サービスの新たなスタンダードを創造する挑戦にご参加ください。熱意ある企業の皆様からのご提案をお待ちしております。