こんな場所でも発電できるの?
新技術で太陽光発電あふれる街を目指す

環境局 脱炭素社会推進課

要点

解決したい課題

太陽光発電設備を建物のもっと様々な場所に設置できるようにしたい

実現したい未来

太陽光発電が広く普及し、名古屋市の中でエネルギーの自給自足が行われ、2050年カ-ボンニュートラルに本市として貢献している

想定する実証実験

次世代太陽電池又は新たな設置工法を活用した、建物における、太陽光発電設備の新たな設置可能場所の検証

得られるもの

・技術等について庁内関係機関に情報共有できる可能性あり
・実用化できる技術であれば、本市施設での活用を検討します

ストーリー

カーボンニュートラルを目指して

 産業革命以降、化石燃料を大量に使用してきたことで、大気中の二酸化炭素などの温室効果ガスが増大し、地球温暖化が進行しています。その影響で、氷河の融解、平均海面水位の上昇、熱波や干ばつの発生、局所的な豪雨による洪水発生が生じており、海の生態系への影響や食料不足等といったリスクが懸念されています。
 温室効果ガスの排出量を減らすには、エネルギーの消費量を減らすことや、二酸化炭素が発生しない非化石エネルギーへ移行していくことが必要になります。
 国は2020年10月に、「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、2021年4月に2030年度に温室効果ガスを46%削減(2013年度比)することを目指すこと、さらに50%削減の高みに向けて挑戦を続けていくことを表明しました。加えて、その実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すため、「第6次エネルギー計画」を2021年10月に策定し、その中で、温室効果ガスの排出量の8割以上を占めるエネルギー分野の取組が重要とし、その1つとして再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマス等)の総発電電力量に占める割合を22~24%程度(うち太陽光は7%)から36~38%程度(うち太陽光は14~16%)に拡大するとしました。
 本市においても2018年3月に策定した「低炭素都市なごや戦略第2次実行計画」(以下、実行計画。)の中で、太陽光発電設備の本市における導入容量を2030年までに37万kWとする目標を掲げました。現在では、令和5年度中に、国の動向等を受け、実行計画の改定を予定しており、その中で、本市における太陽光発電のさらなる導入拡大を目指すことを検討しています。

名古屋市の再生可能エネルギーに係るポテンシャル

 環境省の再生可能エネルギー情報提供システム(REPOS)によると、名古屋市内における再生可能エネルギーの導入ポテンシャルは、風力や水力等はなく、ほぼ太陽光発電のみとなっています。さらに太陽光発電を設置できる場所については、土地への平置きは少なく、建物の屋根・屋上がほとんどを占めています。今後、太陽光発電の普及拡大を強力に図るためには、建物における太陽光発電設備の設置場所の確保が鍵となります。

太陽光発電設備導入の取り組み

 本市では太陽光発電設備の設置費補助事業として、災害時のレジリエンス向上につながる太陽光発電設備・蓄電システム・ホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)の一体的導入や、PPAモデルを活用した事業用太陽光発電設備導入などに対して費用助成を行っていますが、直近5年の太陽光発電設備の導入容量の推移をみると、住宅用は右肩上がりで増加しているものの、事業用は伸び悩んでいる状況にあります。

 市街地が中心の本市では、広大な土地確保が難しく、大規模な太陽光発電設備の設置は困難なため、建物への設置が中心となりますが、主流の結晶シリコン太陽電池は設備重量が大きい点や求められる日照条件等から、一定の耐荷重を有する屋上・屋根への設置が主体となっており、設置場所が限定されている状況があります。

やりたいこと

 本市における太陽光発電設備の導入を加速度的に増加させるためには、安価で、様々な場所に設置できる技術が必要だと考えています。住宅が密集しているような市街地において、現在主流な設置場所である建物の屋上・屋根以外に設置しても、良好な発電量を達成できる可能性がある太陽電池、もしくは既存の結晶シリコン太陽電池の設置工法がありましたら、ぜひそのポテンシャルを把握させていただきたいと思っています。
 具体的には、新たな技術を活用し、市街地の建物において、太陽光発電をさらに設置できそうなのか、気候・日照条件が異なる状況で発電量がどのように変化するのかといった検証を行いたいと考えています。
 近年、次世代型太陽電池として開発に注力されている、低コスト、軽量、柔軟性を有するペロブスカイト太陽電池はもとより、それ以外の技術でも構いませんので、たくさんの応募をお待ちしております。

募集要項

背景国では、令和3年10月に「第6次エネルギー基本計画」を改定し、2030年の再生可能エネルギーの総発電電力量に占める割合を太陽光発電分について2倍以上に引き上げることとしており、本市でも令和5年度中に、「低炭素都市なごや戦略第2次実行計画」の改定を予定しており、その中で、本市における太陽光発電のさらなる導入拡大を目指すことを検討している。
課題(詳細)市街地が中心の本市では、大規模な太陽光発電設備の設置は難しく、建物の屋上・屋根が主体となるが、現在主流の結晶シリコン太陽電池は設備重量が大きい点や求められる日照条件等から、設置場所が限定されるため、新たな技術で建物における設置場所を拡大したい。
求める解決策設置場所に柔軟な性能・特性を有する新たな太陽電池(例えばペロブスカイト太陽電池)や、結晶シリコン太陽電池を壁面等に設置できる工法等
想定する実証実験内容次世代太陽電池又は新たな設置工法等を活用した、都市部の建物における新たな設置可能場所の検証、及び気候・日照条件が異なる状況下での性能(発電量)の検証
実証実験成功後の発展性技術等について庁内関係機関に情報共有できる可能性あり。
他自治体への横展開も期待できる。
提案企業に求める専門性太陽電池に関する知識、太陽光発電設備の設置ノウハウ
プロジェクトの進め方
打合せ方法
対面、オンラインどちらでも対応可能
提供可能な
データ・環境等
検証場所の図面データ等(具体的な場所は要相談)
プログラム終了後の本格導入実用化できる技術であれば、本市施設での活用を検討します。

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