災害時に助け合いができる防災力あるまち、なごやへ
私たち防災危機管理局では、大規模な災害が発生した時も、自分の命は自らが守り、また、お互いに助け合うことができるよう、市民の防災意識を向上させ、地域の防災力向上を目標としています。一人ひとりが防災の知識とスキルを身につけ、いざという時には地域の人々と協力して行動できる、「共助」の輪が自然と広がる、安全・安心な名古屋市を目指しています。
特に、次世代を担う子どもたちが、楽しみながら防災を学び、その大切さを家族や周囲に伝えていくことで、地域全体の防災力向上に繋がることを期待しています。
全国でどれだけ災害が起こっても、「自分事」として捉えることは本当に難しい・・・
近年、全国各地で自然災害が発生し、猛威を振るっています。さらには南海トラフ巨大地震のような大規模災害の発生も懸念されています。しかし、多くの人々にとって、災害はどこか遠い出来事であり、日常生活の中で常に危機意識を持ち続けることは難しいのが現状です。災害が発生してからでは遅いと、頭では理解していても、なかなか具体的な行動に移せない、それが私たちの直面している大きな壁です。
従来の防災啓発は、ハザードマップなどのツールを用いて、知識やノウハウの周知・インプットに重点が置かれがちでした。しかし、知識を得るだけでは、いざという時に本当に役立つ行動に繋がるとは限りません。私たちは、市民一人ひとりが災害を「自分事」としてできる限りリアルに感じ、主体的に考え、行動するきっかけを提供する必要があると考えました。
また、防災は一定の人だけではなく、すべての人が行うことが重要であるため、防災に触れる機会が持てなかった層へのアプローチも必要となってきます。そこで今回は、防災に触れる機会が少ない子どもたちをメインターゲットとし、楽しく学べる体験を通じて防災意識を育むことで、将来の地域防災力向上に繋がると信じています。だからこそ、今、これまでにない新しいアプローチで、この課題に挑戦します。
これまでの名古屋市の防災啓発の取組み
これまで、ハザードマップの周知・啓発や、防災アプリの提供、港防災センターでの体験学習、防災講演会の開催など、様々な啓発活動に取り組んできました。これらの活動は一定の成果を上げてきましたが、より多くの市民、特に若い世代・子どもたちへの効果的なアプローチや、共助の意識をさらに高めるためには、新たな工夫が必要だと感じています。過去の取り組みで得られた教訓を活かしつつ、先進技術を活用して、次の一歩を踏み出ししたいと考えています。
https://www.city.nagoya.jp/bosaikikikanri/page/0000171223.html
さらに自由な「体験」と「共有」ができる防災学習を提供できないだろうか
私たちが目指すのは、単なる知識の習得に留まらない、「体験」と「共有」を通じた学びの場です。例えば、メタバースのような仮想空間に災害が発生した時の街の状況を可視化して避難訓練を行うことや、仮想上の避難所において避難生活の体験などが挙げられます。自分ごとにする一つのポイントとして、一住民としての「避難者」「被災者」としての疑似体験だけではなく、避難誘導係や避難所の運営・受付担当者など一人一人に「役割」を持ってシミュレーションすることも有効ではないかなと考えています。避難訓練のリーダーや避難所の運営・受付担当者の立場で考えてみることも面白いかもしれません。
今回の主な対象は、子どもたち(小学生高学年)です。災害が起こったときの自分自身の「役割」や「自分の姿」を意識しながら仮想空間を活用することで、子どもたちが、臨場感や没入感のある「大変だ!自分たちで何とかしなきゃ!」といった状況を「体験」し、また、相談・連携し合ったり、空気感を他の参加者との「共有」をします。そうすることによって、共助をより自分事として、深い学びが得ることができるのではないかと考えています。
このように、どこでも・誰でもアクセスができる、つまり『場所を選ばずに参加できる』かつ『参加者同士のコミュニケーションを重視した体験型の防災学習』を、企業の皆様と共に創り上げていきたいと考えています。必ずしもリアルで鮮明な映像や音声でなくとも、疑似体験のゲームのようなものでも構いません。
大切なのは、「怖かった」「災害って大変そう」といった、まだどこか他人事感のある感想だけで終わらせず、自分事として、共助の意識の醸成や日頃の備え・具体的な行動へ着実に繋げられることです。
「共助の輪を育てる」をカタチにするために。
このプロジェクトは、未来の安全・安心な地域社会を築くための、大切な一歩です。特に子どもたちにとって、「体験」と「共有」を通して、楽しく学んだ防災の知識や経験は、いざという時に自分自身や大切な人を守る力となります。そして、その経験が家庭や地域へと広がり、「共助」の輪を大きく育てていくことを信じています。企業の皆様が持つ革新的なアイデアと技術で、この想いを形にするプロジェクトをご一緒いただけませんか。ご応募を心よりお待ちしております!!