REPORT

書架到着時間の短縮【図書館ARナビゲーション】

  • 実証事業者

    パーソナル プロセス&テクノロジー

  • 市担当部署

    教育委員会鶴舞中央図書館整理課

応募理由・技術開発のきっかけ

当社では、先進技術を起点にサービスを創造することを目的に、社内外における実証実験を通じて、さまざまな先進技術の検証を進めてまいりました。
そのようなとき「Hatch Technology NAGOYA」の取り組みが始まり、提示された多くの行政課題について検証した中で図書館の課題に目がとまりました。

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近年急速に普及してきた拡張現実(AR)の技術を使えば、書架へのスムーズな案内が実現でき、図書館様の課題解決ができると考えました。
なにより、歴史ある図書館に、最新技術である拡張現実(AR)を組み合わせることに面白さを感じ、新しい顧客体験を創造することができるのではないかと考え、今回の実証実験に応募いたしました。

当社には、多様なサービスを生み出す文化があり、またコンサル~システム開発~アウトソーシングと一気通貫でのサービス提供が出来る体制を持っております。
そのため、実証実験とその後の新規ビジネス化においても適切に推進していくことができます。

完成後のポイント

今回の実証実験で開発するARを使ったナビゲーションは、目の前に見えている現実の空間にスマートフォンをかざすことで、矢印が重なって表示され、この表示される矢印のとおりに歩いていけば、目的の書架まで到着することができます。
これは、地図を使って俯瞰するナビゲーションよりも、直感的に使うことができると考えております。
また、文字ではなく矢印などの記号だけで誘導を行いますので、日本語が読めない外国の方でも、言語に関係なく、不自由なく使うことができます。

そしてこのシステムは、ナビゲーションを導入したい施設側にも大きなメリットがあります。
いままで難しかった、屋内でのナビゲーションができるようになり、また一般的なカメラ付きのスマートフォンと、紙に印刷したマーカーだけでナビゲーションシステムを構築することができるため、従来のナビゲーション方法よりも低価格になると見込んでいます。

今後はこの実証実験においてエンターテイメントの要素も盛り込めないか検討していき、わくわくするような、未来の図書館を生み出せるように取り組んでいきます。

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開発途中で上手くいっている点・
苦労している点

鶴舞中央図書館の一部エリアを使って実証実験を行わせていただいておりますが、一部エリアとはいえ、やはり大量の本があり、データベース化やマーカーの貼り付けなど、すべての作業において思った以上に時間がかかっています。
図書館の本というものは、ひとつの規則により(例えば請求記号順に)厳密に配置されているものだと考えておりました。 しかし実際には、若年層向けのコーナーであったり、就労支援に役立つ本だけを集めたコーナーであったりというように、職員の方々が利用促進や利便性向上のために配置を工夫されており、必ずしも一つの規則で配置されているわけではありませんでした。
このような図書館様独自の配置ルールをシステムに取り込むことが、なかなか難しく苦労しております。